マイレージ・マイライフ
この記事は、フランキンのノアノアな風をうけて FM熱海・湯河原の、【マイレージ・マイライフ】を自動収集したものです。
ちょっとだけネタバレも含みます。
世界的大不況と云われるようになって久しいですが、
映画の中で解雇通告に直面する人々の表情と言葉からは、
ここまでアメリカの経済は疲弊してしまっているのかと、
改めて愕然とさせられ、この社会がこれまで形作ってきた何もかも…
そこに確かなものなど何ひとつないのだと痛感させられます。そんな現実を突きつけられながら目にするひとりの男の生き方。
成すべき仕事と報酬、
そして誰もが羨望するステイタスにつつまれ、
軽快な人間関係を楽しみ、
いつでも空を駆け抜けていくようなライフスタイル・・・
ジョージ・クルーニーが演ずるライアン・ビンガムという男。
彼が獲得したかに見える人生には一瞬羨望を覚えます。もちろんそれは、ただ単に彼が幸運であったとか
人よりも機会に恵まれていたと言ってしまえるものではありません。
彼がいつしか唯一の「夢」、また最も「具体的なリアル」として捉えている
マイレージを1000万マイル貯めるという目標と同じく、
小さな始まりからコツコツと努力と共に積み重ねてきたものなのでしょう。事実ビンガムの生活は実に徹底しています。
スケジュールは常にフルスケジュール・・・
でもそんな彼から多忙な印象を受けることありません。
完璧なセルフコントロールとスケジュール管理、
自分の日常から「余計」と思えるものは徹底的にリストラし、
必要なものはバックパックひとつに仕舞い込むことができる・・・
そんな信念を自ら実践しています厄介なものや余計なものは自分のバックパックに一切入れない・・・
でも、人々との関わりの中でいつしか彼は気づいていきます。何ひとつ・・・本当に大切なものさえも、
何も入れないままここまで来てしまった。自分が強く求め、望んでいるもの・・・それらは本当に
自分自身の中の本来の必要を満たしてくれるものなのか?
この映画は、見ている僕にそんな問いかけを、
無理なく投げかけてくれるものでした。この社会に形作られている
目に見える様々にしかリアルを感じられないとしたら、
本当に大切なものを何も持たないまま、
ある日突然空の上で、
自分は地上の何処にもいないのだと気づくのかもしれない。映画の原題「Up in the Air」が示すものと
ラストでただ大気が流れるだけの音・・・
あの空虚感がたまりませんね。本当にに大切なことってなんだろう・・・?
それは時に泥臭かったり、面倒なことであったり、
自分自身を与えることだったり、
余計に時間や労力を費やさなければならない・・・
そんなものだったりするのかもしれません。ジョージ・クルーニーが実に魅力的に演じている
主人公ライアン・ビンガム。
彼が数日のうちに経験する幾つかの出会いとその顛末、
そして皮肉な経験と
彼の内側に生じてもはや消えないであろう変化の兆し・・・
映画を通してその成り行きを見守る側も、
自分自身の価値観を洗いなおす機会に恵まれます。
素晴らしい109分間でした。
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